やまのこ保育園

惑星のようす

"2023感謝祭レポート"

2023.12.01
2023感謝祭レポート

Text : Ayane Fukumori

日時:2023/10/7(土) 10:00-12:00(一部ワークショップは9:30~)@yamanoko

今年のテーマ:やまのこのコミュニティに、実りに感謝!

 

 自然やコミュニティの繋がりにありがとう!というお祭りとして開催した感謝祭。当日は大雨が降ったり止んだり落ち着かない天気でしたが、そんな中でも多くの方に来ていただいて、皆さんのエネルギー溢れる豊かな時間となりました。 

 

【どんまいレストラン】

 HATAKEというフィールドを活用するようになって2年目、その場所が子どもたちの日常に溶け込んできた感覚があります。今年は夏以降やま盛りの野菜がとれ、それを料理する、友だちや保護者に振る舞うといった流れが子どもたちの暮らしの中で盛り上がっていました。

小さな失敗を積み重ねてその度に子どもたち同士が「どんまい!」と声をかけるうちに「どんまいレストラン」と名付けられた子どもたちの料理コーナーでは、一人一人お気に入りのエプロンをつけた店番の子どもたちがHATAKEの実りを使った料理やお菓子、お茶を配っていました。

 

【織のオブジェづくり/大きな織物づくり】  ※なつみさんの記事もご覧ください! 

 今回初の取り組みとして、Iちゃんのご両親であり、染織家として活躍されているIさんと造園家のAさんによる織物ワークショップを実施しました。

 オブジェづくりは事前に申し込みをした親子が真剣な表情で糸を選んだり木に釘を打ち込んだ土台に糸を編んでいました。

 出来上がったオブジェを宝物のように手で包み込むNちゃん、自分らしいカラーリングの糸を選んで父のTさんと一緒に編んだ卒園児のMちゃん。親子で編み物に取り組む時間が優しく流れていました。

 

 アトリエの入り口に設置された流木で作られた枠は迫力があり、通り過ぎる人がみんな「これは何をするもの?」と不思議そうに眺めていました。細く裂いた布を縦糸に交互に通していき、大きな織物を作るというものでした。ワークショップの前後や他のエリアを見る合間に来てくれた人たちが少しずつ編んでいき、織物が出来上がっていく様子はまるで生き物の成長のようでもありました。

 特に卒園児や兄弟の小学生たちが色とりどりのリボンを選び編み進めていましたが、興味深いのは意外と大人が夢中になっていたことです。Aさん(Aちゃん母)やKさん(Tちゃん母)、Dさん(Iちゃん父)、志智子さん、Hさん…、他にもたくさんの大人たちが黙々と土台に向かって手を動かしている姿は一種のメディテーションのようであり、大人も何かに夢中になる時間を欲しているんだなと思わされました。

【ぐるぐるマーケット】

 定期的に実施される、サイズアウトした服の交換会です。今回もたくさんの服が新しい持ち主の元へ旅立っていきました。服を広げながら「これ、〇〇ちゃんが前よく着てたよね〜懐かしい!」といった会話があちこちで交わされていて、単にリユースを促す場ではなくやまのこの子どもたちの成長を喜びあう場にもなっていることが感じられました。

 

【藍のたたき染め】

 藍の葉っぱを染めたい布に貼り付けてハンマーでトントン叩くと‥色が移った!たたき染めに参加したみなさんが、その鮮やかな色の移り方に驚いていました。トートバッグやハンカチ、タオルなどそれぞれ好きな布小物を持ってきて、素材による染まり具合の違いや葉っぱの配置にも個性が光りました。

【HATAKE写真展と保育動画公開】

 こごみの部屋では、今年たくさんの恵みをもたらしてくれたHATAKEの様子を写真展として展示しました。保護者の方とHATAKE Dayとして共に豊かにしてきた場ですが、こうして日々の流れをまとめて展示することで、HATAKE Dayに参加されなかった方にも様子を伝えられたのではと思います。特に夏のきゅうりやトマト、カボチャなど季節の収穫物をまとめた写真では、「ここでこんなにたくさん野菜が採れたのか!」と改めて驚かされました。保育の中でも野菜を採ってきては料理しよう、食べよう、みんなに配ろうという流れが活発になり【どんまいレストラン】にも繋がったので、このHATAKEの恵みが子どもたちにもたらしてくれた影響の大きさを感じます。また、HATAKEだけでなくyamanoko、home両園の庭で育ったハーブや木の実と触れ合う・味わう子どもたちの写真もあり、日頃の環境に食べられる実りがあることのありがたさを改めて感じました。

 

 部屋の一角は普段撮り溜めた保育の映像を流すコーナーでした。なかなか保護者の皆さんにお見せする機会がもてていなかったので、よりやまのこの日常を感じてもらえたのではないでしょうか。子どもたちも入れ替わり立ち替わりやってきて設置していたソファに座りながら「映画館だー!」と映像に見入っていました。普段やまのこに来ていないおじいちゃんおばあちゃんたちと来ていた子もいて、自分や兄弟、友だちが映ると説明する姿もありました。また、映像は0歳児から年長児までだいたい年齢順になるような流れで、やまのこでの暮らしが伝わるだけでなく年齢ごとの遊び方、友だちとの関わり方の変化も垣間見えました。

【服早ぬぎ競争】

 こちらも初の試み、Kちゃん(Yくん姉・卒園児)発案の服早脱ぎ競争です。お天気が心配される中、晴れ間を見極めて「今だ!」と実施されました。

 ルールは、走者は服を3つ重ねて着て門から外水道までのコースで2ヶ所、その服を脱ぎ捨ててゴールを目指すというものです。子どもも大人も入り乱れてのレースでしたが、二回戦をおこなってどちらも子どもが優勝するという衝撃の展開でした!

 

○第一レース

走者:Yさん(Hくん父)、Hくん、Bくん、Kさん、Tちゃん、Yさん(Kちゃん父)、Kちゃん、一朗さん

展開:勝ちを狙ってMさん(Hくん母)のロングスカート(脱ぎやすい)を借りてきたYさんや、考案者のKちゃん含む第一グループ。見ている人も服早脱ぎ競争とはなんぞや?状態の中レースが始まりました。最初の服脱ぎエリアに入って走者がもみくちゃになりながら服を脱ぎ出すと、見ている人から笑いまじりの「頑張れー!」という声援が飛び交いました。その中を一番に飛び出したのがHくん!そのまま次の服脱ぎも難なくこなし、一位に輝きました。

 

○第二レース

走者:Dさん、Rちゃん(Mちゃん姉)、Kちゃん(Mちゃん姉・卒園児)、さえこさん、Mちゃん、Yさん(Mちゃん母)

展開:雨が再び強くなってきた第二レースでしたが、やる気十分で走り出す走者たちには関係ないようでした。真っ先に服脱ぎエリアに到着し苦戦している他の人たちをよそにびっくりするほどの早さで飛び出してきたのはRちゃん!え、ほんとに脱いだ?と思われるような軽やかな身のこなしで優勝をかっさらっていきました。レースはここで終わりではありません。集団から遅れて最後の服脱ぎエリアに入ってきたのはMちゃん・Yさん親子。焦るMちゃんを手伝いながらも「かわいいでしょ〜うちの子♡」と紹介するユーモアを忘れないYさん。もう2人しかいないというピンチ?をチャンスに変えて注目度ナンバーワンでゴールインしました。

【やまのこ味噌オープン】

 昨年の感謝祭でもやって大好評だった味噌オープン。今年も2月に仕込んだお味噌を初めて開けてみんなで味わうことになりました。蒸し野菜を並べたお皿が乗ったテーブルを取り囲む子どもたち。なつみさんの合図でカウントダウンし、お味噌のふたをオープンしました。初めは蒸した大豆そのままの明るい黄土色だったものが、冬から春、夏を超えて発酵しあたたかなお味噌の色に熟成していました。

 蒸し野菜にお味噌をつけ、パクリと頬張ると「美味しい!」「もっと!」とあちこちからおかわりリクエストが止まりませんでした。家ではなかなか野菜を食べないという子も、この楽しい雰囲気とお味噌のおかげで嬉しそうに食べている姿が印象的でした。今年は保護者も交えての味噌作りから出来上がりまで一緒に共有することができ、時間の流れを共に積み重ねてきた喜びが満ち溢れていました。

 

 今回の感謝祭はコロナ禍を経て初めてSpiber社員や地域の方にも開催をお知らせし、よりオープンなイベントとして実施しました。実際にSpiber社員や入園予定の親子が子どもたちから【どんまいレストラン】のクッキーを受け取っていたり、Spiber社員が親子に混じってワークショップに参加している風景はここしばらく見ることができなかったものだったので、この日が交流の場として開かれていることを実感させてくれました。

 また昨年同様、多くの保護者の方に店番や準備・片付けといったお手伝いボランティアにも協力していただきました。ありがとうございました!

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