2023.09.01
yamanokoのペアレンティングクラスレポート: 子どものまなざしを体感する
Text : Miho Masakuni
日時:2023/6/17(土) 10:00-12:00
内容:森の日の活動体験 (散策・ネイチャーゲーム・焚き火など)@ケヤキの森
いつもはスタッフとして保護者の方々を迎える感覚の強い園のイベントに、いち保護者として参加し、はじめのうちはソワソワ、ワクワクしていました。園に集合した保護者は、子どもたちが普段乗っているバスに乗り込み、綾音さんの流暢な進行で自己紹介をしながら森の日のフィールドである「ケヤキの森」に到着。千尋さん、月美さんが迎えてくれました。
子どもたちの活動と同じ流れで「いこいの広場」に集合。一朗さんのセーフティートークはなぜか笑いで盛り上がり、アイスブレイク(ジャスチャーだけで出身地を探り当て、北から南の順に並ぶゲーム)では千尋さんの絶妙なツッコミとリードもあって保護者同士が一気に打ち解けた印象でした。その後は、五感を使った個人ワークと、保護者同士が息を合わせて協力するグループワークの時間がありました。
個人ワークでは、ケヤキの森の地図と「宝さがしリスト」が保護者に手渡されました。そのリストにはやまのこ保育者のアイディアがふんだんに詰まった素敵な「宝物」が20個並んでいて、ワークのお題は、ケヤキの森の中を散策しながら、どこでそれらを発見したか地図上に記していく、というものでした。
保護者は森を歩きながら、リストのひとつひとつにフィットすると感じたものに出会うと、森のどこでそれを見つけたかをメモしておき、後からそれらを小グループでシェアしました。
実施後、個人的には「あー、もっとやりたかった!」という感覚でした。私は20個のうち約半分の宝物しか発見できなかったので、尚更そう感じたのかもしれません。
普段仕事ではパソコンに向かう時間が多く、平日は仕事と家事と子育てに、休日も様々な予定に追われ…という生活をしていると、今の私にとっては、自然を五感で感じ尽くすことに少し困難を伴うことに気づかされました。というのも、体感にフィットするアイテムを探そうとしても、自分自身の心身に率直になるためにはまず自身の状態を調整する時間を必要としたためです。同時に、子どもたちの目線を想像しながら、自身の五感を使って子どもたちが普段活動しているフィールドを味わいつくす贅沢さも強く感じました。
また、ワーク前、宝さがしのリストについて、「子どもたちにとっては必要のないものです」と保育者が言っていたのが印象的でした。子どもたちの体と心には、リストがなくても自分たちにとっての「宝物」を、自然の中で思うままに発見して楽しむ準備がいつでも整っているのだと、ワークを通して改めて気づかされました。
個人ワークで見つけたもの/場所を小グループでシェアした後は、そのグループで「火を起こし、野菜を焼いて味わう」グループワークをしました。
月美さんの手慣れたガイドを参考に、グループごとに協力して火を起こします。すぐに火を起こして野菜を焼き始めるグループ、なかなか火が継続せずに何度もトライするグループなどそれぞれでしたが、ワークを通して大人の個性のようなものも垣間見えて、言葉だけでなくアクションを通してその人の全体感のようなものを感じられたのが、とても貴重な機会だったと思います。
そして、焚き火で焼いた野菜の美味しかったこと!!(大人ですので気遣い合いながらも)競うように野菜に齧り付いている姿も、森の日の昼ごはんの時に出会う子どもたちの様子とシンクロし、とても楽しく感じました。
あっという間の時間でしたが、子どもたちの目線を想像したり、子どもたちのフィールドを体感することができました。そしてさらには、大人として子どもの気持ちを知る機会を得ただけでなく、子どもたちの体験から生まれる気持ちに、大人としてどう寄り添ったり、関わったりしていきたいかを改めて考える学びの機会にもなりました。私自身が日々アップデートされていくためにも、このような機会ひとつひとつをこれからも大事にしていきたいと思います。