やまのこ保育園

惑星のようす

"うるい・こごみ組コミュニティの変化"

2020.10.01
うるい・こごみ組コミュニティの変化

Text : Asako Sugano

0、1、2歳児のコミュニティで起こっている変化のきっかけを大きく3つに分け、印象的だったエピソードを共有します。どんな状況でも、常に「今」を生きている子どもたちが日々何を感じ、それをどのように表現しているのか、一緒に想像していただけたら嬉しいです。

 

1.新しいお友達との出会い
月 わらび組からKくん、Eちゃんがこごみ組へ移行しました。
8月 Sくん入園。うるい組に入りました。
0月 うるい組からMちゃん、Yちゃんがこごみ組へ移行しました。

輪に入る瞬間、そしてその後
Kくんは、始めはお兄さんのAくん(あけび組)の近くにいたがることが多く、自分からお友達に話かけることはあまりありませんでした。徐々にこごみ組のリズムにも慣れてきた頃、こんなことがありました。
給食を食べていると、Kくんが笑顔で「Bくーん!!」「Hちゃーん!!」と同じテーブルにいる人の名前を突然叫び始めたのです。
すると、名前を呼ばれた人たちも同じくらい大きな声で「Kちゃーん!!!」とKくんの名前を呼び返しました。お互い顔を見合わせてはケラケラ笑い、何度も何度も名前を呼び合う姿は、楽しい気持ち、嬉しい気持ちを名前に乗せてキャッチボールしているように見えました。Kくんがみんなの輪に入ったのか、みんながKくんの輪に入ったのか、きっと両方なのだろうな、と感動しました。
その後、このやまびこごっこの日を境にKくんが自分からお友だちに声をかけることが増えたように感じています。写真は、8月にくねくね山でおばけごっこが流行った時のものです。これはKくんが始めは一人で「おばけだじょー」と両手でおばけの格好をして遊んでいたものを、次の時はKちゃんが真似をして二人で、その次の時にはクラスの大勢が「おばけだじょー」と遊んでいました。

くねくね山でおばけごっこが流行りました。

2.クラスのお友達が「おひっこし」する
上のクラスへ「移行」することを子どもたちには「○○ちゃん/くんは○○組へお引越しするよ」と伝えています。
6月 こごみ組のRちゃんがあけび組に移行しました。
9月 こごみ組のAくん、Eくんがあけび組へ移行しました。
9月 こごみ組のMちゃん、あけび組のAくんが本当のお引越しのため退園しました。

世代交代!?
Aくんは、「かいじゅうごっこしよう!」「よーいどんしよう!」と常にみんなを遊びに誘ってくれ、誰かが転ぶと「Aくんがたすけにいく!」とかけつけてくれる、頼れるアニキ的な存在でした。
Eくんは、「あ!ハサミムシいたよ!」と教えてくれたり、「ライオンはね、こうやってかりをするんだよ。」と教えてくれたりする物知り博士でした。この秋3歳になったHくん、Gくんはいつも「Aくん!」「E!」と自分たちよりも少しお兄さんの2人を追いかけ、一緒に遊ぶことが楽しそうでした。Aくん、Eくんがあけび組におひっこしすると、Hくん、Gくんの関係性に変化の兆しが。

ある日、おやつで食べたバナナの皮を、コンポストに持っていってもらおうとすると、「Hが!Hが!」「ああ〜Gちゃんがもってく〜!」とバナナの皮が入ったボウルをめぐってつかみ合いのけんかを始めました。
泣き叫びながらお互いの気持ちをぶつけ合う姿をみて、Rさんが「HちゃんとGちゃんが本気でけんかしているの、久しぶりに見たなぁ」とぽつり。
2人で追いかけていたお兄さんたちが少しだけ遠くなり、お互いをより意識するようになったのでしょうか。日々の生活や遊びで向けられる二人の視線の先がどんな風に変わってゆくのか、楽しみです。

Gくん(左)Hくん(右)誕生日も一日違いです

 

3.うるい組、こごみ組がゆるやかに一つのクラスに(合同保育)共存するということ
今まで別々の部屋で過ごし、それぞれで活動していたうるい、こごみ組。5月頃から同じ部屋で過ごし、一緒に活動する時間が増えました。朝のお茶の時間、それぞれこごみ組の子がうるい組の子のコップを用意してあげる姿が見られ、お世話をする、される、という関係はすぐに始まりました。
子どもたちの関係に変化を感じたのは、こごみ組のHくん、Gくん、Bくんが積み木遊びをしている時でした。3人で誰が一番高く積み木を積み上げられるか遊んでいるところにうるい組のHくんがダッダッダッと走ってやってきました。Hくんは「うう〜!」と言いながら積み木を倒しました。
すると、Hくんが「Hくんかいじゅうがきたぞ!」と言い、Gくん、Bくんも「わ〜、Hくんかいじゅうだ〜!」と続きました。いつもだったら、誰かに積み木を崩されると怒ったり、泣いたり、けんかをすることが多かった3人が、何か「楽しくないこと」が起こったときに、

それを「楽しいこと」に変える方法を学んでいるんだなと感じました。
また、Hくんは、こごみ組の人たちや彼らが遊んでいるものに、突進して近づきたいほどの好奇心、同時にそれをしても大丈夫という安心感を持っているのだと感じました。

先日のキッズドームSORAIでの保育期間中にも、異年齢間の関わりが変化していることを感じました。一番驚いたのが、こごみ組の誰かが遊んでいるブロックをうるい組の誰かが手に取ると、取られた人が「◯◯くんとらないで」と、本人に伝えていたことです。少し前までは、大人に向かって「◯◯くんがとった〜!」と言っていたのが、今は対等に思いを伝えられる相手として認め、コミュニケーションしているように見えました。日々変化するコミュニティ、私もその一員として一人ひとりの気持ちに寄り添い、一緒に成長していきたいと思います。

みんなでカエル探し

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