2021.03.01
憧れの“あんだーざしー”
Text : Asako Sugano
あけび組のミュージカルUnder the Seaはうるい・こごみの子どもたち(3月時点)にも大きな感動を届けてくれました。キラキラと輝くステージに釘付けの子どもたちの表情は、私が1年間共に過ごしてきた中で初めて見るものばかりでした。小さな人たちの目に映った “あんだーざしー ”を写真で共有したいと思います。
3月5日、あけび組がやまのこhomeのふき組、わらび組、そしてやまのこのうるい組、こごみ組のこどもたち全員を招待してくれて、ショーが行われました。
まず、あけび組子どもの劇の前に、あけび組保育者の劇がありました。
始めは少し緊張気味の様子。Eちゃん、Mちゃん、Mちゃん、Kちゃん揃って正座をしています。
あけび組子どもの劇が始まった瞬間に見せたみんなの表情が忘れられません。
これが何かに強く引き込まれる時のみんなの目なんだ、と感動しました。
拍手をするKくんが見つめる先にはパフォーマンス中の兄Aくんがいます。すれ違う時、AくんもKくんと目を合わせ笑顔を見せていました。
舞台演出を担当するMくんが一生懸命ライトを照らしています。弟のBくんはその仕事ぶりに見入っているようでした。写真のIちゃんはMくんが作り出す海の光を目で追いかけて楽しんでいます。手は拍手、足は音楽に合わせてリズムをとっていて、全身で世界観を味わっているようでした。
Kくんは練習の時からUnder the Seaの歌が大のお気に入り。本番でも心から楽しそうに踊っていました。
Hくんもまた、Under the Seaという空間そのものから溢れ出る喜びを表現していたうちの一人です。カメラのシャッターが追いつかないほどエネルギッシュに踊っていました。
劇終盤のNくんの表情には理由がありました。
「Nくん……Nくんもあんだーざしーやりたかった。」
保護者の方々と一緒に観劇した日にNくんはそう伝えてくれました。そして2度目の公演のこの日も涙を堪えるように泣いていました。Nくんの目には、練習中にこごみさんもよく聴いていたUnder the Seaの音楽で衣装を着てステージにいることへの羨ましさや、演者として参加できない悔しさが滲んでいました。あけびさん一人ひとりがUnder the Seaを楽しむ気持ちが伝わったからこそ湧いてくる感情は、なんと複雑で美しいのでしょうか。
普段一緒に遊んでいるあけびのお姉さん、お兄さんたちが一つのものを作り上げる姿、そして彼らの誇らしげな佇まいから、うるい・こごみの子どもたちは、たくさんのものを受けとったのだろうと感じています。こうした異年齢間の学び合いの場をこれからも大事にしていきたいと考えています。