やまのこ保育園

惑星のようす

"「問い駆動型」保育"

2018.12.20
「問い駆動型」保育

今年ももうまもなく終わろうとしています。やまのこもふたつの園体制になってから早3ヶ月。やまのこ誕生からは1年と4ヶ月が経ちました。みなさんにとって今年はどのような1年だったでしょうかー。

やまのこの1年をふりかえると、こんなキーワードが浮かんできます。
◯  やまのこ保育園の開園(ふたつでひとつの体制に)
◯「問い」駆動型へ

ひとつめのキーワード。ふたつでひとつの体制になったことは、胎動期が終わりやっと誕生することができたような大きな出来事でした。これからがいよいよ本番という転換点です。
ふたつめのキーワード「問い駆動型へ」は、読まれても「??」という感じだと思うのですが、これはやまのこにとって大きな気づきであり、シフトとなる転換点でした。

 

それはどんなことかというと、教育(保育)には答えがないため、一人ひとりがこれまで築いてきた教育観、子ども観がそれぞれの考える際の軸になります。そうすると簡単に信念の対立が起きてしまいます。そして、それは両方正しかったりする。だからこそ原理が必要であり、教育の原理をこれまでの哲学から導き出して、信念ではなく原理に沿った舵取りをしたい、そうでなければバラバラになってしまう、とこれまでは思っていたのです。

その流れから「わたしたちのミッションとは何か?」という題目でチームみんなでの対話を何度か進めてみたものの、何かすっきりと決まらないのです。そんな中、9月の合宿で生まれたのが「What’s your idea now?」という言葉でした。この言葉が生まれるのと同時にミッションや教育原理を求めていた気持ちは消えました。

 

子どもたちとの一瞬一瞬の時間を、この問いとともに在るということを第一に考えれば、おのずとそのプロセスは開放力を強めていきます。いま現在の私、いま現在のあなた、その瞬間から次のプロセスを生んでいくことをよしとする、という姿勢だけをこの問いは述べているわけで、これまで培ってきた信念を引き合いに出すよりも「いまここ」にフォーカスがあたるのです。

わたしたち大人は、これまで重ねてきた経験によって、先回りしたりさらに次に進めようとしてしまいます。しかし、目指す姿はいまこの瞬間から新しい目で世界を捉えていくような姿です。それはまさに子どもの姿そのもの。子どもたちとの瞬間瞬間のセッションをなによりも大切にするということ。そのことが「問い駆動型」に込められています。

「問い駆動型保育」を目指すためには、記録もそのように設計されていなければなりません。そこで、早速10月からこれまでの記録形態を一新しました。そして、保護者のみなさんと私たちのささやかな問いを共有するための通称「問いボード」をエントランスに設置しました。このように、一歩一歩問いから駆動し、探求を場の核とする教育の在り方の模索をスタートできたことはやまのこにとって大きな出来事だったと思います。

 

「What’s your idea now?」というやまのこの大切な眼差し。その根底には「わたしたちは、なぜこの時代に教育に携わるのか?」というもっと大きな問いがあります。やまのこがまだなんのかたちもないころから、頭の中をぐるぐると駆け巡っていた大問題です。この言葉には、現代をどのように捉えるのか、そして子どもたちの生きる未来をどのように捉えようとするのかという2つの矢印と「教育」という言葉の定義、そしてそこに加わる「わたし」という矢印、という大きく4つの要素がからみあっています。そのひとつひとつが織り込まれて、ある大きなタペストリーを描いていく。それがきっとやまのこなのです。いまはまだどんな絵が見えてくるのかはわからないけれど、1日1日織りなされていく。その中で糸を運ぶシャフトの音のようなものが「What’s your idea now?」なのかもしれません。

  

 

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